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第八話 歓迎の宴

last update Last Updated: 2025-02-19 02:26:43

歓迎の宴は 華やかなものであった

「エリンシア姫・・我が王妃 黒の王妃アリアンです」

「アリアンですわ エリンシア姫」

黒の王 竜王に紹介されて アリアンは微笑んで答える

「見事な金の髪に変わった 美しい瞳の持ち主ですね エリンシア姫」

「有難うございます」

「娘のテインタル姫です」

「テインタルです これから宜しくお願いいたします」

美貌の母親に似た 綺麗な顔立ち 焔の瞳を持つ少女

「アリシュア王子です」

アリアン付きの女官の腕に抱かれた王子・・すやすやと眠っている

先程、赤ん坊を見た時にはその瞳は金色

どうやら先読みの予言では 次の王は焔の力を受け継ぐ者

火竜王(サラマンデイア)を名乗り黒の王となるはずの者

赤ん坊は焔の力は受けつかなったようなのだが・・?

中級レベルの炎なら扱えるはずだが‥

・・では、少女が女王となり、この黒の国を受け継ぐのだろうか?

黒の王と赤ん坊の王子の金色の瞳

火、水、風、大地すべての属性と守護を合わせ持ち それらの魔法を全て使いこなす

また、時に相手の心が視えるだけでなく 

先読み・・過去見と予知の力を持つという ゆえに竜の王と呼ばれる

長年戦続けていた

白の国の場合は 白の王族の属性もまたそれと同じく近い 幻惑と幻獣に特に特化している

「エリンシア姫は羽琴の名手だという御話を聞きましたが?」

「はい、白の宗主様の御前や宴では演奏いたしました」

「では一曲 所望しても構いませんかな?」黒の王アージェントが問う

「はい 黒の王様 なんなりとご所望の曲をどうぞ・・」とエリンシア姫は微笑み答えた

見つめる黒の王・竜の王の金色の瞳に 

何か心の琴線に触れる思いをエリンシアは感じた

それから 何事もなく、平穏な日々の数か月の時が流れ・・

エリンシア姫は この黒の王宮に庭の眺めの良い大きな部屋を与えられ

数人のエリンシア付きの女官が従い 事細かい要件をこなしてくれた

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    「ねえ エリンシア姫は好きな御方がいるの?」テインタル王女との白の国の歴史などの勉強の後の二人だけのお茶会の時の事「最近 なんだか エリンシア姫は変わったわ 時々、うわの空で 恋する人の目になっている」「まあ、王女様たら そんな事はありませんわ!」まだ幼い少女であるテインタル王女に見抜かれるとは黒の王妃にも気がつかれたら どうしょうか一瞬 戸惑いの顔になるエリンシアに 悪い事を聞いたのかしら?と幼いながらも王女は思い話題を変える「私ね‥好きな御方がいるの・・」「え?」「異母兄妹である私の兄 黒の王子アーシュラン兄さま」ふっふふと頬を赤くして答える「知ってる? 血の濃さを重んじる黒の王族は 異母兄妹 婚姻は可能で許されるの」「早く、戻って来てほしいわお母様は アーシュランお兄様の事を嫌ってるけれど」「じゃあ そろそろ 部屋に帰ります 今日は有難うございます エリンシア姫様」ぺこりと頭を下げて 王女は部屋に戻っていったあのテインタル王女が恋しかも初恋が兄とは・・まあ 兄妹同士の婚姻が可能と言うならそれはそれで、良いかも知れない同じ不思議な深紅、焔の色の瞳を持つ、兄妹確かに 黒の王子アーシュランは まだ幼いながらキリリっとした美男子だった少々、吊り上がった、印象的な、あの焔の瞳あの黒の王妃の美貌を受け継いだ、テインタル王女なら、それはとても、美しい一対になるだろう。しかし黒の王妃は間違いなく猛反対するだろうがそんな事をエリンシアは考えた

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第16話 悲劇前 穏やかな日々

    平穏な日々・・穏やかに時は過ぎてゆく・・悲劇の時がゆっくり 忍び寄ってきているなどとは・・そう 知らずに・・そしてエリンシアは いつの間にか 黒の王妃の不在の日を心待ちしている自分そう黒の王妃の不在の時には ほぼ必ずと良い程夜半には 黒の王に呼び出される睦言を・・黒の王の瞳を深々と見つめ その美しい黒髪に触れる時が恋しくてたまらくなっている・・などと・・一糸纏わぬ肌に 黒の王がエリンシアの胸先に軽く触れて・・それから・・寝床の中で 身体を抱かれて エリンシアの腕が 黒の王の身体を抱きしめる首筋に触れている王の唇が時折 くすぐったい「あ・・」 王はクスクスと笑っている それは蜜のような甘い時間そして その後 甘い酒を王は口に含み それを口移しにそれを飲ませられる「ん・・」 「味は? 女性向けの蜂蜜入りの果樹酒だ 旨いかな?」「はい、黒の王」 何度もそれを繰り返して、エリンシア姫は沢山、酒を飲まされてそれは少し強い酒で、すぐに酔いが回る酔った身体、 再び王の身体がのしかかる 「あ・・!」しばらく後・・いつものように黒の侍従が呼ばれて、エリンシアを抱きかかえて人目につかぬように 庭を通り抜けてバルコニーから部屋に入り 寝床にそっと置かれ毛布をかぶせられる。侍従の中には 時に彼、黒の王アージェントの竜人アレルドもいた竜人アレルドはテインタル王女の守り人でもあるという「私は三人の王族 彼等の守り人、守護者です 王子のアーシュ様も」「アーシュ様には もう一人 セルトという竜人の守護者がいますが・・」一度だけ彼はそう言った変な話でもある 竜人の守護者は主にとっては一人だけのはず二人も竜人の守護者を持ったのは 700年前にいた黒の女王 伝説の火焔の女王ヴァルジニテだけエリンシアはぼんやりとしていたがバルコニーのドアがとても、小さな音を立てて、閉まった。黒の王妃への申し訳ない思い自分を慕ってくれてる、まだ幼さが残る美しいテインタル姫最近では 赤ん坊だったアリシュア王子も まだ幼い歩きと上手くは喋れないものの王妃達に連れられてやってきては 時にエリンシアの胸に抱かれて笑ったり すやすやと眠むたりするのだが「エ・・エり・・姫 好き・・」王子は 王と同じ金色の瞳で見つめてエリンシアの胸に抱かれて そう言っ

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第15話 二人の姫の家庭教師 そして、アルティシア姫との別れ

    リュース公の娘アルテイシア姫だけでなく テインタル王女も勉強に加わったテインタル王女もアルテイシア姫も 飲み込みが早く みるみる内に砂に水が染み込むかのように 言語に歴史 白の国の事を習得していった二週間が過ぎようとした頃「本当に お二人とも 覚えが早いですわ あと1か月もしない内に言葉も文字も完璧に覚えてしまいますわね」二人にお茶とお菓子をふるまいながら 微笑むエリンシア「有難うございますエリンシア姫様」「有難うございます」二人ほぼ同時に礼を述べる「エリンシア姫様 アルテイシアは 剣術も魔法もとても上手よ!特に水の魔法・・ねえ アル♪」「テインタル、テイは 楽器の演奏と歌が上手よこの前のリュートの演奏と歌は素敵だったわ ねえテイ♪」年頃が少ししか変わらない幼い少女二人は 愛称で呼び合う程に仲良しになっていた◆ ◆ ◆話をしながらお菓子をほおばり 笑いあう二人に悲しい運命が待っていようなどと知らずに二人に微笑むエリンシア「ねえ そろそろ私の事はアルって言って エリンシア姫!」「わかりましたわでは 私の事をエリンと呼んでくださいね」ふっふふと笑いエリンシアは言ったバルコニーの窓を開け広げた庭には 青い空と花々に小鳥のさえずり 小さい噴水の水音・・穏やかで 楽しいひと時を彩っていたそれから1月のち・・白の国の言葉や文字を完璧に習得したアルテイシア姫は父であるリュース公が待つ 自分の城へと帰っていった「じゃあ!また また会おうね約束よ エリン!テイ!」元気よく手を振って 迎えに来たリュース公の部下を伴い翼竜に乗って帰っていった見えなくなるまで振り返ったままずっとアルテイシアは手を振っていた「またねアル!」同じく手を振るテインタル王女 「お元気で またアル・・アルテイシア姫」エリンシアそれはエリンシアとってアルテイシア姫とは二度と会う事のない約束となるテインタル王女がアルテイシアと再び再会する日は 時が流れて美しい娘たちへと成長して 敵対する二人として剣や魔法を交えての対峙する日の事

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第14話 アルティシア姫…アルティシア姫のお願い

    まだ幼いながらも美少女 長く美しい流れるよな黒髪、やや吊り上がったアーモンド型の大きな瞳美しい少女後に 戦姫黒の王、火竜王(サラマンデイア)になるアーシュランの片腕・・女将軍となるアルテイシア 妻の一人水と風の属性と守護を生まれながらに持ち特に水の魔法に長けていたゆえに のちに黒の国の水の竜の王の加護を手に入れる水竜の女王、そう呼ばれる事もそうして白の国から処刑されようとして逃げ出したアーシュランを助けるのも彼女の宿命、運命守護者である最後のリュース公であるアルテイシア「母親は 私の護衛の女騎士だったもの数年前に ちょっとした小競り合いの戦で毒矢を受け あえなく亡くなってしまいましたが・・」大事そうにアルテシアの頭を撫でるリュース公リジャイアヌスアルテシアは エリンシアに顔を向けて 微笑む◆ ◆ ◆部屋のドアをたたくノックの音「はい どうぞ・・」「遅くに御免なさい、エリンシア姫様」まだ少女であるリュース公の娘 アルテシイア姫が訪れた。「御気にされずに、どうぞ、いらしゃいませアルテイシア姫様」「アルでも構いませんよ エリンシア姫様」「まあ、そういうわけにも・・で・・ご用件は?姫」◇ ◇ ◇「白の国の事を知りたいの! それに白の国の言葉も文字もお父様も教えては下さるけど 本当はお忙しいし実は ちょっと語学はちょっと苦手なの・・」「黒の王宮では テインタル王女に白の国の言葉と文字を教えてると聞きましたわ」「ええ、その通りですわ」微笑むエリンシア「それだけじゃなくテインタル王女様とお友達になりたいの!」◇ ◇ ◇「素敵な事ですわ!では 黒の王宮にお越しになられるのですね」「ええ もちろん!しばらく滞在するわ もうお父様の許可は取ってあるの」「わかりましたわ 姫様 お好きなお菓子はありますか?勉強の合間に ご用意いたしますね」エリンシアは 子供好きであった 微笑みを浮かべるエリンシア「本当嬉しいわ! お菓子は・・」会話は続き そして早朝にはエリンシアはリュース公の娘アルテイシア姫を伴い 黒の王宮に戻っていった。

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第13話 リュース公リジャイアスと一人娘のアルティシア姫

    ある時 誘われて エリンシアは 王都から離れた リュース公の湖畔の城を訪れる紹介されたのは 彼の一人娘アル アルテイシア姫 テインタル王女とあまり変わらない年齢  彼の妻は亡くなったそうだ「はじめましてエリンシア姫様姫様はあの羽琴の名手だとか・・今宵の宴を楽しみにしてます」「羽琴は いにしえの4つの羽を持つ女神 その羽の形折り曲げて包み込むような 混じり合った羽 弦もまた 重なり合ってだから、扱いが難しいと聞いてます」「はい 姫様」リュース公の城は 湖畔に浮かぶ美しい城水竜が大きな水音を立てて泳いでいるのが バルコニーからもよく見える宴は多くのリュース公の縁りの者達や友人の貴族などが集まりエリンシアが思っていた以上に 華やかで賑やかであった一人娘 未来の女侯爵は 利発で活発多くの大人相手に 物おじもせずに会話を楽しんでいる宴のご馳走は 湖畔でとれた魚やこの地 地元の果実に 鴨などの肉料理それに白の国の食材を使った白の国の料理・・。リュース公が少し離れた場所に一人立っていたエリンシアに近づき話しかけてきた「どうぞ 楽しんで下さい エリンシア姫そうそう・・ちょっとした昔話などでもよいですか?」「はい」エリンシアは 美丈夫で金の髪のリュース公に答える「実のところ 私は白の国の血が濃くでて、子供の頃は両生体だったのですよ」「そうなんですの?リュース公様」驚くエリンシア確かに 白の国の者は 2人に1人が両生体で生まれるこの方も・・とは「20歳上の兄がいたので、私は女性になるように勧められて よくドレスも纏ったものです」この美しい顔立ち 美しい金の髪に青の瞳、すらっとした身体・・さぞや 美しい少女の姿だったのだろう・・。「一時は 当時まだ王子だった 黒の王に乞われて 側室候補にもなった事もありましたね」「彼とは 一時 恋人同士だったことも・・」含み笑い・・それから肩をすくめて 続けて話を続ける「なにせ 大貴族とはいえ 多くの白の国の血を引くリュース家・・この黒の国では 微妙な立場でね・流石に黒の王妃候補にはなれませんでした」「残念ながら10歳年上の兄が先の戦いで死んでしまったので 私は男性の性を選び、このリュース家を継ぎました。」。戦の間も白の国と親交もある 間を取り持ち 最初の使節の役目はリュース家の

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